【レビュー】簿記3級ネット試験を4回落ちた私…
2020年12月から開始した、簿記3級のネット試験。おそらく1~2回目くらいで合格される方が多いのではないでしょうか?
そんな中、私はネット試験を5回も受験してやっと合格しました。
5回も受験した私だからこそお伝えできる体験談を交えて、簿記3級ネット試験に受かるための対策をご紹介させていただきます。
簿記3級ネット試験|完敗だった1~2回目の受験
簿記とはまったく無縁だった私が、簿記の試験を受けることにしたのは起業を決めてからのことです。
簿記3級の知識は起業するのなら必須!
起業された方のブログや動画ではこの言葉が何度も出てくるので、それならやってみるかと思い立ちました。
会場での受験は年2回のみ。でも、ネット試験ならすぐにでも受験できると知って、ネット試験にチャレンジすることにしました。
準備不足とはいえ、1~2回目の試験結果は散々なものとなってしまいました!
その経過は、以下の通りです。
私が最初にやったのは、通信講座での勉強です。
通信講座自体は簿記の「ぼ」の字も知らなかった私が基礎を学ぶには適していました。
動画では電卓の使い方まで丁寧に解説してくれ、ひとつひとつの用語の意味をわかりやすく説明してくれました。
ただ、動画を視ながらテキストを開いて…というシチュエーションが結構面倒で、平日はなかなか動画の視聴が進まない状況でした。
それと、テキストの単調な黒い文字は結構眠気を催すんですよね。
それでも何とか1回だけ問題集も解き終わって、無謀にもネット試験を受験することに!
いくら文章でネット試験について読んでも、正直どんな試験なのかまったく想像ができなかった私は、実戦でネット試験を体験しようと決めました。
会場は、雑居ビルに入っている小さな学習塾のような所。
ちょっとコワモテのお兄さんに身分証明書を見せて、簡単な説明を受けて入室します。
この時にボールペン1本と、A4の白紙の紙を2枚渡されます。この紙はメモ用紙で、計算などに使います。
狭いスペースにデスクトップのパソコンが並んでおり、指定されたパソコンのあるスペースへ移動。
机に出していいのは電卓。あとはさっき受け取ったA4の紙2枚とボールペンのみ。
メガネをパソコン作業用のものに替えて、いざ受験開始です!
問題を解く順番は、第1問→第3問→第2問とレクチャーを受けていたので第1問からスタート!
第1問は「仕訳」問題。
「仕訳」問題は、仕訳集とアプリで時間があれば問題を解いていたので自信がありましたが、実際問題を見てみると「ん?」と悩む問題が結構あるではないですか…。
あんまり悩んでいると時間がなくなるので、なんとか第1問を終わらせて次は第3問へ。
第3問は「精算表・貸借対照表と損益計算書」。
表の空欄に数字などを入れていくのですが、紙の試験と違ってパソコン画面を視ながら電卓を打って入力をする作業は慣れていないとかなり難しい!
計算内容を紙に書きましたが、焦ってくるとどこに何を書いたのかわからなくなってきます。
そして、たった1回しか問題集を解いていない私には解けない問題だらけでした。
第2問に取りかかる時間もなくなって試験は終了。
ネット試験は、試験終了するとすぐに点数と合否が出ます。
1回目のネット試験結果は不合格。点数ははっきり覚えていませんが30点台。
ガッカリですが、当たり前の結果となりました。
1回目の失敗を踏まえて、まずは勉強方法の見直しです!
通信講座のテキストは見づらかったので、本屋に直行して自分が見やすい参考書を探すことにしました。
選んだのはカラフルに色を使って字が大きく見やすい参考書。
わからない所をすぐに確認できる参考書です。
問題集はこの時点では新しく買わずに「参考書に載っている問題を解けるようになるまでやろう」と決めて2回目の受験まで勉強し直すことにしました。
約1か月後に同じ会場での試験の申し込みをして2回目のチャレンジ!
結果はまたしても不合格。
点数は50点台。1回目よりは少しマシになった程度ですね。
第1問は満点を取れましたが、第3問は思ったように点数が伸びずに2回目の試験も合格には至りませんでした。
せっかちな私はじっくり準備をする、という作業が苦手。
はっきり言って1~2回目は、かなり勉強不足でした。
時間配分もめちゃくちゃで、これで合格しようなんてかなり甘かったと思います。
簿記3級ネット試験|惜しかった3~4回目、そして合格
散々だった1~2回目のネット試験。
さて、3~4回目はどうだったのか?まだまだ受験勉強の日々が続きます!
3~4回目で集中的にやったのは問題集をひたすら解くこと!
買った問題集は5冊以上!!
とにかく新しい問題集が発売されればすぐに買って解く!を繰り返しました。
これだけネット試験を受けていると、第3問は数字は変わりますがいくつかの問題が繰り返しランダムで出題されていることがわかりました。
第2問も同様で、苦手問題は問題集の中からピックアップして何度もチェック!
実は3回目はあと1点足りなくて不合格でした。
3回目の第2問、第3問は私の得意な問題だったので自信があったんですが…。
3回目のショックを引きずった4回目は点数が下がってしまい、また反省。
これ以上落ちるわけにはいかないので、5回目の試験に向けてきっちり第3問で点数が取れるように第3問対策をしっかりして、第2問でしっかり時間が確保できるように勉強しました。
そして、5回目の試験でやっと簿記3級検定合格!
短期間に何度もネット試験を受験して、5回目でやっと合格した私。
今思えば、もうちょっとじっくり対策をしてから受験するのがベストでしたね。
それでも、気力が尽きる前に合格できたので良しとしましょう!
簿記3級の合格率は?|およそ50%
さて、簿記3級の合格率はどれくらいなのでしょうか?
日本商工会議所のホームページなどを見ると、40%前後のようです。
合格率は、低い時は30%台、高い時は50%台とその時によって変動があるようです。
ネット試験の場合、受験する日時もバラバラなので合格率のはっきりしたデータが確認できませんでしたが、筆記試験とそこまで差異はないようですね。
10人受験して合格するのが4~5人といったところでしょうか。
これを見ても、そんなに簡単な試験ではないのがわかります。
簿記3級のネット試験なぜ落ちた?!その理由!
私が簿記3級ネット試験を4回も落ちた原因は、結局何でしょうか?
少ない受験回数で合格できなかった理由を振り返ってみましょう。
原因①安易な受験|いつでも受けられるので試しに受けた
試験に落ちてしまった1つ目の理由は、いつでもすぐに受験でき、受験料が比較的安い金額であるため、安易に受験を繰り返したことです。
ネット試験の場合、受験して不合格でも翌日から次の試験の受験申込ができます。
試験会場に空きがあれば、すぐにでも再受験が可能です。
1回目の受験の時は点数が低すぎてさすがに次の試験までは少し間がありましたが(それでも1か月程度)、2回目から5回目は10日から2週間くらいの間隔でバンバン試験を受けていました。
簿記3級の受験料は2,850円。わりと悩まずに支払えてしまう金額ですよね。
簿記2級の受験料が4,720円。さすがにこの金額だと何度も支払うのは考えてしまいます。
そのため、安易な気持ちで受験を繰り返してしまいました。
【簿記検定ネット試験の受験料】
簿記3級 | 簿記2級 | |
---|---|---|
受験料 | 2,850円(消費税込) | 4,720円(消費税込) |
事務手数料 | 550円(消費税込) | 550円(消費税込) |
合計金額 | 3,400円 | 5,270円 |
※インターネット申し込み方式の場合
原因②勉強不足|問題集解いたのは1回だけ?!
2つ目の理由は、明らかな勉強不足から生じる理解力不足!
一番の基本となる「仕訳」は第1問は暗記だけで解けますが、第2問・第3問はきちんと理解していないと解けません。
参考書で勉強をして問題集を解くのは受験勉強の一連の流れです。
点数がボロカス低かった2回目までの受験勉強は、問題集はざっと流す程度で点数が取れたのは第1問の「仕訳」だけでした。
第2問、第3問は圧倒的に理解力不足。第2問は手を付けることすらできずに終わりました。
問題集を解いて、間違った問題は何度も確認すべきところですが、ただただ何冊も問題集を解いていただけで、復習が足りなかったと思います。
原因③数字の入力ミス
3つ目の理由は、数字の入力ミスと電卓の打ちまちがいによる計算ミスですね。
ひとつ数字を間違うと、その後の数字が連鎖的にミスしてしまうのでかなり致命的!
ネット試験の場合、筆記試験と違ってパソコン画面と計算用に渡される紙を交互に見ながらの入力が結構ハードです。
第3問の「精算表・貸借対照表と損益計算書」は主に数字の入力になるので、入力箇所がズレたり数字の入力ミスすると致命的!
普段から経理の仕事をされている方であれば、恐らく右手で入力して左手で電卓をたたくのに慣れていると思います。
ですが、私のように電卓を打つことに慣れていない人間には、これがかなり難しい作業でした。
3回目の受験の時は、ちょうど問題集でしっかり取り組んだ問題が出題されたので「いける!」と思いました。
しかし、結果は不合格!
恐らくは、計算ミスか入力ミスが致命傷になったんだと思います。
筆記試験と違って、回答の見直しがしづらいのがネット試験ならでは。
表計算は1つ間違っただけで数字がずれるので、本当に数字の入力ミスはできません!
簿記3級のネット試験に受かるための対策
簿記3級のネット試験に受かるためには、気を付けなければいけない点がいくつかあります。
5回もネット試験を受けた私が考えた対策を3つ書いてみました!
対策①ネット試験での注意
対策の1つ目は、ネット試験ならではの注意点を事前に知っておくことです。
私はネット試験しか受けたことがありませんが、筆記試験との違いは一目瞭然。
注意点は以下の通りです。
・パソコン画面を視ながら電卓を打つ作業に慣れておくこと。
・会場のパソコンのキーボードは打ちづらい。
・試験会場では人の入退室の音が気になる。
・ネット試験では画面上に書き込みができない。
ネット試験の場合、パソコン画面と電卓を交互に視ながらの作業になります。
使い慣れていないキーボードは打ちづらいため、入力ミスしがちです。
パソコン画面に間違った数字を入力しないように注意しましょう!
ネット試験の会場は一斉に試験開始ではありません。人によって開始時間も終了時間もちがうため、入退室の音が気になるかもしれません。落ち着いて試験に取り組めるように心がけて下さい。
筆記試験とちがって、ネット試験では画面に書き込みができません。
計算の見なおしがしづらいため、計算用紙は後から見てもわかるように使ってミスを減らせるようにして下さい。
対策②苦手問題は何度も問題集で確認
2つ目の対策として、苦手な問題は、理解できるまで何度でも解いてみましょう。
当たり前のことですが、問題集は時間があれば何度でも解くのが一番です。
次のネット試験で苦手問題ばかり出題されることも想定して、しっかり対策をしておきましょう。
苦手問題が解けるようになれば、ぐっと合格に近づけます!
出題傾向は変動するため、時間があれば「新傾向に対応」の問題集もチェックすれば万全でしょう。
苦手問題は、わかるまで何度でも確認することが大事です!
対策③計算はスピーディーに正確に
簿記3級に受かるための3つ目の対策は、電卓計算はまちがわないように、そしてスピーディーに打てるようにしておきましょう。
電卓を打つ機会の少ない私は、表計算でかなり苦戦しました。
しかも、右手でパソコンを打たなければいけないので電卓は左手で打つことになります。
右手で電卓を打つのにも慣れていないのに、左手で正確にスピーディーに打つのは大変です!
表計算の計算は、練習あるのみ!
何度も練習して速く打てるようにしておきましょう。
電卓には「メモリー機能」という便利な機能が付いていますが、慣れていない人間には計算ミスの原因になってしまいます。
私は「メモリー機能」での計算ミスが多かったので使いませんでしたが、使いこなせればかなり時短になると思います。
電卓を左手で正確にスピーディーに打てるようになれば、時間にも余裕ができるので回答の見直しもできます。
ひとつの計算ミスが大きく点数を失う原因になってしまいます。
電卓は正確に打てるように練習しておきましょう!
まとめ|ネット試験ならではの対策も忘れずに!
簿記3級のネット試験に落ちた原因と対策について、体験談を交えて書きました。
対策をまとめると以下の通りです。
【簿記3級ネット試験に受かるための対策3選】
・ネット試験での注意に気を付ける
・苦手問題は何度も問題集で確認
・計算はスピーディーに正確に
ネット試験は、その会場によっても雰囲気が違うので一概には言えませんが独特な雰囲気です。
自分は簿記3級の試験を受けているけど、隣の人は別の試験を受けていたりするわけです。
試験とは直接関係ありませんが、ネット試験での感想も少し付け加えておきます。
・他の人が電卓をたたく音がうるさくてイライラする。
・試験終了後にすぐに合否が出るので、点数が悪いとかなり落ち込む。
・試験会場の温度。(夏で日当たりが良いととにかく暑い!)
ネット試験は気軽に受験できますが、簡単ではありません。
しかし、不合格になっても自分の都合で再試験の日時が選べるのはとても良いシステムだと思います。
会場も自分で選べるので、遠くまで出かる時間のむだがないのでオススメです!
来年は簿記2級をネット試験で、と考えていますが2級は5回も受験することにならないように対策しようと思っています。
少しでもこれから受験する皆さまの参考になれば幸いです。
へー、ネット試験ならではのコツが必要なのね!
そうね!こゆきちゃんは私と同じミスをしないようにね!
簿記3級ネット試験を1回で合格できるようにがんばるわ!
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